ホタル(蛍、螢)      コウチュウ目(鞘翅目)・ホタル科 (Lampyridae)
 
2001年1月7日山南町応地の「蛇ない」を見物してから、 蛇山岩尾城に登り山頂でWeb「低山徘徊派」 オフの参加メンバーと合流した。 山では以前に出会った商工会の西山さんの他に、Hat姿も凛々しいボーイ・スカウトの団長の様な方が来られていた。途中参加で話をする機会が無かったが下山解散後、 和田の街中を歩いて帰られるところで少しの間・話したのが和田地区の「梶自然愛好会」代表の藤原氏でした。 自然環境保護活動には特に熱心で、加古川水系河川の魚類(特にメダカだったかな!)やホタル・野鳥の生息地の分布調査をされておられたようです。
←ホタル素材は 「いきもの道具箱」さんのShockwaveFlashアニメをgifにして借りています
 
私は田舎をずっと離れていてホタルの事は「第一回ヒメボタルまつり」(平成16年6月10日〜7月16日 )イベントでの某新聞折込紙を見るまで気にもかけていなかった。いつでも何処でも時期が来れば見られ珍しくも無い?と思いながらも帰郷後・夜中に外に出掛ける習性が無くなったので忘れていた。 子供の頃”火の用心…”と拍子木を鳴らし夜警に廻っていて、初夏の水田に光の帯を引いて飛ぶホタルを追った事を思い出した。ホタルはホタル…ところが随分と種類が多く世界中に約2000種 :其のほとんどは陸生で,水生のものは世界でも5種類程しか知られていない事、日本に生息する水生のゲンジボタル・ヘイケボタルがホタルの代名詞と思っていたが、世界では特異な存在で 陸生のヒメボタル等が主流だという。
 
水生のホタルが珍しいという事は日本が清流に恵まれた国だからでしょうが、それも河川整地等で絶滅し辛うじて自然環境が保たれている場所だけなんでしょうか。 今回”森に棲むホタル”ヒメボタルの存在を知った。「県立人と自然の博物館」八木主任研究員等の指導や、 藤原さん達自然愛好会・森の蛍調査隊in丹波、漢方の里ワクワク隊等メンバの地道な 調査活動・PRにより既に平成15年「 第7回ヒメボタルサミット」が山南町で行われていました。町内での 生息地調査では当時60数箇所だったが124箇所で確認されたという。
ホタル素材は 「かないろ日記」さんからお借りしています→

藤原さんも 「これほど多くの場所でヒメボタルが確認できたのは全国でも例がない」と近畿でもトップクラスのヒメボタル生息地が自然環境により保たれていること、其の環境保全と自然と生き物との共生を 但馬コウノトリと共に考えPRしていきたい」とされています。また絶滅危惧される生物を 所在地を秘密にして守る事より、オープンにして市民・住民の理解と協力を得、愛(いつく)しみの心で護っていくのが本来の姿だとされているようです。私も丹波・青垣町での セツブンソウ保存施策での非公開保護に疑問を感じていました。情報は地元市民より業者の方が良く知っていて荒らされています。山南町での絶滅寸前のホタルを救おうと、 餌となるカワニナなどを放流したが増え始めたホタルを、ごっそりと業者が持ち去った事、つい2〜3日前にも近くの河川が荒らされてホタルがいなくなったという。セミと同じ・成虫となっても数日しか生きない生物です。 ホタルなどいる筈の無い・明るく乾いた喧騒の中の都会で初夏のイベント等に放たれるのでしょうか?、求愛行動のかすかな灯さえ無慈悲にも線香花火のように消されてしまうのでしょう。
 
第一回ヒメボタルまつりでは「県立人と自然の博物館(三田市)」八木主任研究員の講演や報告書 ・ホタルの採集展示見本等で予備知識を得て、ホタルの鑑賞会に出掛けてみた。当日は一日中曇天で昨日は雨、 気温もほどほど?で殆ど風も無く絶好の条件のようですが、時期的には未だ少し早いようで固体したが午後7:30過ぎ頃には水の少ない牧山川にゲンジボタルの黄色い光が輝きだし、竹薮の低い葉の陰に隠れて 見辛いが、オレンジ色の短い(約0.5秒)間隔でストロボの様にフラッシュ点滅を 繰り返す”ヒメボタル ”の発光を始めてみた。殆ど飛ばず・飛んでも低い真近の葉枝にチョコッと飛ぶだけで注意して追っていかないと葉影で見失ってしまう。
漢方の里に鑑賞会で集まる観光客

大きな黄色い光の糸を引き・派手なデモンストレーションを繰り返すゲンジボタル (Luciola cruciata Motschulsky体長約15mm前後)にスッカリ主役の座を明渡してしまっています。此処ではヘイケボタル(Luciola lateralis Motschulsky体長約8mm前後)も 僅かにいるようですが、広い田園地帯が拡がる氷上町がゲンジボタルよりヘイケボタルが多いと、此れは地の氷上町の方に聞いた。水田や河川流域の棲むゲンジボタル・ヘイケボタルは知られていますが、 陸生で”森のホタル”とも呼ばれるヒメボタル(Hotaria parvula Kiesenwetter体長約6〜8mm前後)については、雑木林や竹薮の中など夜間に人が近づく事も無く、人目に付きにくい場所に生息しています。 メスは後翅が退化していて飛べず、雄も遠くには飛べないことから繁殖する範囲は開発・整地され、保水力を失う等・一度破壊された環境に再び戻れる事は殆ど無いと云われます。其の分布や生態がよく知られていない事から、 保護出来ないまま絶滅した箇所も有るようです。
 
”姫ボタルまつり”は都会と田舎の交流を謳った観光イベントで、人と自然の共生を考える自然環境保護を訴えるものなので、ホタル観察には 付近住民やホタルに対する最低マナーは守りたいものです。大きな声で話したり、ラジオ・携帯の音や撮影時のフラッシュ・懐中電灯の明かりで ホタルを驚かせたり活動を妨げないように。ゴミやタバコのポイ捨てや、 其処にいるからと生息域に入り込む等の環境破壊となる様な背信行為は絶対しない事ですね。 子供に見せる為等にホタルを数匹なら捕らえても良いとは藤原さんの考えです。ただし此れには意義が有ります。生き物は必ず死ぬ。子供に生と死についての感性を育む為、生き物をおおいに飼いなさい…と。
現地の河原でホタルの歓迎セレモニーを待つ
 
生息箇所が発見され増える一方、 ホタルより生活道路や施設建設が優先すると、整地・開発計画があり絶滅の可能性が高い地点も出てきます。またホタルのためにとアイガモ農法等により、除草剤や農薬散布を控えホタルの放流や ホタルの幼虫の餌となるカワニナ等を放流し反対に、遺伝子汚染や生態系の破壊に繋がる等の弊害も考えられ、なにかと難しい配慮が必要の様ですが、結局は自然のままで・そっとしておいてやるのが 一番なのでしょうか…!?八木主任研究員の後援の後の質疑で、 蛍の数え方を匹か頭か? 発光活動のピークが丹波ではPM8〜9時頃だが阪神間・六甲ではAM2〜3時頃という、 原因等が明確にされていないが、都会の夜の明るさによるものか・外気の温度か・他に考えられる要因は?尋ねてみたかったが昆虫は私にはノーマーク…(^^ゞ
(ヒメボタル調査報告書:梶自然愛好会他 山南ニュース・よみっこ倶楽部:読売センター Web百科事典ウィキペディア 等を参照)

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